厄年の起源
厄年がいつ、どのように始まったのかについては諸説があり、明確な起源は分かっていません。ただし、厄年に関する考え方そのものは、平安時代の文献から確認することができます。
古い例として知られているのが、10世紀後半ごろに成立したとされる『宇津保物語(うつほものがたり)』です。「楼上」巻には、左大臣について「厄年におはする」とする記述があり、平安時代の貴族社会ですでに特定の年齢を「厄年」と捉える考え方が存在していたことがうかがえます。
また、平安時代末期に成立した辞書『色葉字類抄(いろはじるいしょう)』には、「厄」の項目に13歳・25歳・37歳・49歳・61歳など複数の年齢が記されています。現在一般的に知られている厄年とは年齢が異なっており、厄年の対象年齢が昔から全国共通だったわけではないことも分かります。
その後、時代や地域ごとの習俗などが重なり合い、現在の厄年の形へと変化していったと考えられています。つまり厄年は、「その年齢になると必ず災いが起こる」という科学的な仕組みではなく、長い歴史の中で受け継がれてきた年齢にまつわる日本の文化・習俗のひとつとして捉えるのが適切でしょう。
厄年に悪いことが起こると言われる理由
厄年に「悪いことが起こりやすい」と言われるようになった背景には、日本に古くからある年齢の節目を重視する考え方が関係していると考えられます。
厄年とされる年代は、仕事で責任のある立場になったり、結婚や子育て、親の介護などによって生活環境が変化したりと、人生の転機が重なりやすい時期でもあります。昔の人々にとっても、こうした変化の多い年代は、普段以上に体調や生活に注意を払うべき時期として捉えられていたのかもしれません。
また、「今年は厄年だから気をつけよう」と意識していると、普段なら気に留めない失敗やトラブルについても、厄年と結びつけて印象に残りやすくなることがあります。こうした心理的な働きも、「厄年には悪いことが起こる」というイメージが長く受け継がれてきた理由のひとつとして考えられます。
大切なのは、厄年になったからといって、病気や事故、災害が必ず起こるわけではないということです。必要以上に怖がるのではなく、自分の健康や暮らしを見直すひとつの節目として、前向きに活用するのがよいでしょう。
厄年の科学的根拠
現在の科学的知見では、「厄年」という特定の年齢を迎えること自体が、病気や事故、災害などを引き起こすという因果関係は確認されていません。2026年に公開された、日本の78年間・7,100万件を超える死亡データを分析した研究報告でも、厄年にあたる年齢で死亡リスクが高くなるという結果は確認されませんでした。なお、この研究はプレプリントとして公開されたものであり、結果の扱いには一定の注意が必要です。
一方で、年齢を重ねるにつれて身体の状態が変化すること自体には科学的な根拠があります。厚生労働省も、がんや心疾患、脳血管疾患などには食事、運動、喫煙、飲酒といった生活習慣が関係するとしています。 また、2024年に『Nature Aging』で発表された研究では、人体の分子レベルの変化が平均44歳前後と60歳前後で大きくなる傾向が報告されています。ただし、これは厄年の存在を科学的に証明する研究ではありません。
そのため、厄年を健康リスクを予測する医学的な指標として考えるのではなく、健康診断や生活習慣など、自分の健康や暮らしを改めて見直すひとつの節目として前向きに捉えるのがよいでしょう。
男女別厄年一覧表
厄年には「前厄(まえやく)」「本厄(ほんやく)」「後厄(あとやく)」という考え方があります。本厄は一般に厄年の中心となる年、その前年を前厄、翌年を後厄と呼び、3年間をひとつの節目として捉える習慣があります。
一般的には数え年で、男性は25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳などが本厄とされ、その前後の年齢が前厄・後厄にあたります。なかでも男性42歳、女性33歳は「大厄」と呼ばれることがあります。ただし、厄年の年齢や考え方には地域や神社などによって違いがあります。
前厄は「厄年に入る前の年」、本厄は「厄年にあたる年」、後厄は「厄年を終える年」として、昔から生活や健康に気を配る節目として意識されてきました。ただし、前厄・本厄・後厄だから病気や事故が起こりやすくなるという科学的な因果関係が示されているわけではありません。
必要以上に不安になるのではなく、健康診断を受けたり、生活習慣や住まい、車の状態を確認したりするなど、自分自身や暮らしを見直すきっかけとして前向きに捉えるとよいでしょう。
厄年と病気に関連はある?
厄年を迎えると「健康に気をつけたほうがいい」と聞くことがありますが、厄年そのものが病気の原因になったり、特定の病気にかかりやすくなったりするという科学的な根拠が確認されているわけではありません。
一方で、厄年とされる年代には、仕事や家庭での役割が変化したり、忙しさから生活習慣が乱れたりする人もいます。また、年齢を重ねるにつれて、自分の体調や健康状態について意識する機会が増えてくることも自然なことです。
そのため、「厄年だから病気になる」と不安に考えるのではなく、厄年を自分の健康について改めて考えるひとつの節目として捉えてみてはいかがでしょうか。日々の食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直したり、対象となる健康診断や検診を適切に受けたりすることは、厄年であるかどうかにかかわらず大切です。
昔から続く厄年という文化を必要以上に怖がらず、これからも健康的に過ごすために自分の身体と向き合うきっかけとして前向きに活用していきましょう。
厄年を機に確認したい健康チェック
厄年を、自分の健康について振り返るひとつのきっかけにしてみませんか?
当てはまる項目をチェックして、普段の健康管理について確認してみましょう。
※このチェックは、病気の有無や健康状態を診断するものではありません。
※チェックできなかった項目があっても、病気の可能性が高いことを意味するものではありません。気になる症状がある場合や、健診で再検査・精密検査を勧められている場合は、医療機関へご相談ください。
「健康診断」と「検診」の違い
※健診の種類によって実施される検査項目は異なります。
「健康診断(健診)」と「検診」は似た言葉ですが、目的には違いがあります。厚生労働省では、健診を健康状態や検査値を継続的に把握し、健康づくりや生活習慣の見直しにつなげるもの、検診を特定の病気を対象に確認し、必要な治療などにつなげるものとして整理しています。
たとえば、定期健康診断や特定健診は「健診」に、がん検診や結核検診などは「検診」にあたります。特定健診では、問診や身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などが行われますが、受ける健診によって検査項目は異なります。
そのため、「健康診断を受けているから、すべての病気について確認できている」と考えるのではなく、それぞれの目的を理解することが大切です。健康状態を定期的に確認しながら、年齢などに応じて対象となる検診についても確認してみましょう。自治体や職場などで受けられるがん検診については、検査項目・対象年齢・受診間隔を確認することが推奨されています。
年齢を重ねたら確認しておきたい「がん検診」
健康診断を毎年受けていても、それだけで国が推奨する「がん検診」をすべて受けているとは限りません。国立がん研究センターでは、科学的根拠に基づき、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんについて、それぞれ対象年齢や受診間隔を定めた検診が推奨されています。
大切なのは、検査をできるだけ多く受けることではなく、自分の年齢などに合った検診を適切な間隔で受けることです。がん検診には、実際にはがんがあっても見つからない「偽陰性」や、がんがなくても精密検査が必要と判断される「偽陽性」などの可能性があり、1回の検診ですべてのがんを確実に確認できるものではありません。
まずは職場や自治体から届く案内を確認し、自分が対象となるがん検診を把握してみましょう。なお、現在気になる症状がある場合は、がん検診の時期を待つのではなく、医療機関への受診が案内されています。
※子宮頸がん検診では、一定の要件を満たす自治体において、30歳以上を対象としたHPV検査単独法(原則5年に1回)も実施されています。また、胃部X線検査については当分の間、40歳以上を対象に年1回実施する方法も認められています。実際の対象年齢・検査方法・受診方法については、お住まいの自治体や勤務先などの案内をご確認ください。
がん検診以外にはどんな検査がある?
健康について詳しく調べていくと、人間ドックやCT・MRI・PETなどの画像検査、腫瘍マーカー検査、血液や尿を利用した新しい検査など、さまざまな選択肢が見つかります。ただし、これらはすべてが国の推奨する「がん検診」と同じ位置づけではありません。
たとえば、腫瘍マーカー検査は、がんの診断を補助したり、治療後の経過を確認したりする目的などで利用されますが、その数値だけでがんの有無を確定することはできません。
また、国立がん研究センターでは、CTやPET、腫瘍マーカー、血液・尿を利用した新しい検査の中には、がん検診として死亡を減らす効果や利益と不利益のバランスが十分に確認されていないものがあると説明しています。
そのため、検査を選ぶ際は「新しいから」「詳しく調べられそうだから」という理由だけで判断せず、何を調べる検査なのか、分かること・分からないこと、費用、検査後の対応などを確認することが大切です。
自由診療で受けられる「マイクロCTC検査」とは?
マイクロCTC検査では、10ccの採血から血液中を流れるがん細胞について調べます。胃・肺・大腸など、最初からひとつの臓器だけを対象とする検査とは異なり、血液中の循環がん細胞(CTC)について調べる方法であることが大きな特徴です。
※マイクロCTC検査で「がん細胞が検出された/されなかった」という結果だけで、がんの確定診断や不存在を判断できるものではありません。
また、がんの発生部位を特定する検査ではありません。必要に応じて画像検査や組織検査などによる確認が必要になる場合があります。
検診・検査の種類まとめ
※健診・検診・各種検査は、それぞれ目的や調べる内容が異なります。
※マイクロCTC検査は、がんの有無を確定診断したり、発生部位・種類・ステージを特定したりする検査ではありません。また、国が推奨するがん検診とは目的や位置づけが異なります。検査の特徴・限界・費用などを確認したうえで、自分に合った方法を検討することが大切です。
厄年と事故に関連はある?
厄年は古くから日本で受け継がれてきた年齢にまつわる習俗ですが、「厄年になると事故が増える」という科学的な仕組みが示されているわけではありません。
警察庁は交通事故の発生状況を年齢層や事故類型などさまざまな角度から公表していますが、厄年を交通事故の原因として位置づけているものではありません。
2025 年の交通事故死者数は 2,547 人と公表されていますが、こうした統計と厄年を直接結びつけて考えるべきではありません。
一方、事故を防ぐために見直せることは数多くあります。車であれば日常点検や定期点検、徒歩や自転車であれば交通ルールや装備、住まいであれば段差や照明、住宅設備であれば経年劣化への対応などです。
厄年を「事故が起きる年」と捉えるのではなく、長く続けている習慣や身の回りの環境を一度見直すタイミングと考えると、前向きな意味を持たせることができます。
ポイント:厄年は事故を予測する指標ではありません。事故への備えは、年齢にかかわらず、具体的な点検や安全行動を積み重ねることが基本です。
厄年を機に確認したい安全チェック
身の回りの安全について、最近確認できているものにチェックを付けてみましょう。
チェック数から事故の可能性を判定するものではなく、確認し忘れている項目を見つけるためのセルフチェックです。
身の回りの安全について、最近確認できているものにチェックを付けてみましょう。
※このチェックは、事故の発生可能性や安全性を診断・判定するものではありません。 チェックできなかった項目があっても、「事故が起こりやすい」ことを意味するものではありません。
車に乗る人が確認したい「車と運転の安全」
日常的に車を利用していると、「車検を受けているから大丈夫」と考えがちです。しかし国土交通省は、車検は検査時点で安全・環境基準に適合しているかを確認するものであり、その有効期間中の安全性を保証するものではないと案内しています。そのため、日常点検や定期点検を適切に行うことが重要です。
厄年を機に、タイヤの空気圧や摩耗、ランプ類の点灯、ブレーキの感触、ウォッシャー液など、普段確認できる項目を見直してみるのもよいでしょう。いつもと違う音や振動、ハンドル操作の違和感などがある場合は、自己判断で放置せず整備工場などに相談することが大切です。
また、安全は車の状態だけで決まるものではありません。時間に余裕を持って出発する、疲れているときは休憩する、運転中にスマートフォンを操作しないなど、基本的な運転行動も改めて確認しておきましょう。
厄年だから特別な運転をするのではなく、普段の安全行動を丁寧に続けることが基本です。
自転車・徒歩の安全も見直そう
車を運転しない人でも、移動中の安全について確認できることがあります。警察庁は、自転車を「車のなかま」として交通ルールを守ることを呼びかけています。また、2023 年 4 月からは、すべての自転車利用者について乗車用ヘルメットの着用が努力義務となっています。
自転車では、ブレーキが効くか、タイヤに大きな摩耗や空気不足がないか、ライトが点灯するかなどを定期的に確認しておきましょう。夕方や夜間に利用する場合は、ライトや反射材などによって周囲から見えやすくすることも大切です。
徒歩の場合も、横断歩道を利用する、信号を守る、歩きながらスマートフォンの画面に集中しすぎないなど、基本的な行動を改めて意識できます。
「慣れている道だから大丈夫」と考えるのではなく、普段の移動を少し丁寧にすることも、前向きな安全確認のひとつです。
住まいの中で起こる事故を防ぐには?
事故というと道路上の交通事故を思い浮かべやすいですが、住まいの中にも転倒や転落、やけどなどにつながる場所があります。消費者庁は高齢者の転倒事故について、住み慣れた自宅でも事故が起こり得るとして、浴室や脱衣所の滑り止め、階段や玄関の手すり、通路上の電源コードの整理などを紹介しています。
これは「厄年の人は転びやすい」という意味ではありません。むしろ、年齢に関係なく、床に物が増えていないか、カーペットやマットがめくれていないか、階段や廊下が暗くないか、浴室が滑りやすくなっていないかなど、生活環境そのものを確認することが大切です。
長く暮らしている家ほど、住み始めた頃には気にならなかった段差や配置にも慣れてしまいます。厄年を機に一度「初めてこの家を歩く人」のような目線で室内を見直してみると、日常では見落としていた改善点に気づけるかもしれません。
住まい 家電の 年劣化を確認しよう
住まいや家電は、使用年数が長くなるにつれて状態が変化します。経済産業省には、長期間の使用に伴う経年劣化による事故を防ぐための「長期使用製品安全点検・表示制度」があり、対象製品について日常的な手入れや状態確認の重要性を案内しています。
たとえば、家電から以前と違う音がする、焦げたようなにおいがする、電源コードやプラグに傷・変色があるといった変化があれば、使用を続ける前に取扱説明書やメーカーの案内を確認しましょう。
住宅設備についても、手すりのぐらつき、階段や床の傷み、雨漏り、水回りの不具合など、気になる変化がないか確認しておくと安心です。
火災対策では、消防庁が住宅用火災警報器について定期的な作動確認を行い、設置後 10 年を目安に交換するよう案内しています。「壊れてから直す」だけでなく、使い続けているものの状態を定期的に確認するという考え方を取り入れることが、暮らしの安全につながります。
もしものときのために確認しておきたいこと
安全対策をしていても、事故を完全になくすことはできません。そこで、事故を防ぐための点検とあわせて、「もし起きたらどうするか」も確認しておくと安心です。スマートフォンに家族や勤務先などの連絡先を登録しておく、車を利用する場合は加入している保険やロードサービスの連絡方法を確認しておく、住まいでは緊急時の避難経路や消火器の場所を家族で共有しておく、といった準備があります。
また、事故が起きたときに慌てないためには、必要な連絡先や手順をあらかじめ把握しておくことが役立ちます。生命や身体に危険がある緊急時には 119 番、交通事故など警察への通報が必要な場合には 110 番を利用します。状況に応じて適切な機関へ相談しましょう。
厄年を「何か悪いことが起きるかもしれない年」として過ごす必要はありません。車、移動、住まい、家電など、普段の生活の中で自分が確認できることを一つずつ見直す。そうした具体的な行動に置き換えることで、厄年を前向きな安全確認の節目として活用できます。
厄年と災害に関連はある?
厄年は、日本で古くから受け継がれてきた年齢にまつわる文化・習俗のひとつです。一方、地震や津波、台風、大雨などの自然災害は、地震活動や気象条件、地形などさまざまな自然現象によって発生するものであり、「厄年だから災害に遭いやすくなる」という科学的な仕組みが示されているわけではありません。
そのため、「今年は厄年だから大きな災害が起こるかもしれない」と必要以上に不安になる必要はありません。
一方で、災害への備えは厄年であるかどうかに関係なく大切です。国土交通省が運営するハザードマップポータルサイトでは、自宅周辺で洪水・土砂災害・津波など、どのような災害が想定されているのか確認できます。
厄年をきっかけに、自宅周辺の災害リスクや避難場所、備蓄品などを一度まとめて確認してみる。それくらいの距離感で、防災について考えてみるのがよいでしょう。
ポイント:厄年は、災害の発生を予測するための指標ではありません。防災では、住んでいる地域の特徴を知り、具体的な備えを積み重ねることが大切です。
厄年を機に確認したい防災チェック
まずは、現在どのくらい防災について確認できているか振り返ってみましょう。
防災について、最近確認できているものにチェックを付けてみましょう。
※このチェックは、災害に遭う可能性や自宅の安全性を診断・判定するものではありません。 チェックできなかった項目があっても、「災害に遭いやすい」ことを意味するものではありません。
まずは身の回りの「災害リスク」を確認
防災を考えるとき、最初に確認しておきたいのが「自分が暮らしている場所では、どのような災害が想定されているのか」ということです。
地域によって注意する災害は異なります。川の近くでは洪水、山や崖の近くでは土砂災害、沿岸部では津波など、同じ地域でも場所によって想定されるリスクが変わることがあります。
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、住所から洪水・土砂災害・高潮・津波などの情報を確認できます。また、各自治体が作成しているハザードマップを探すこともできます。
ハザードマップを確認するときは、単に「危険区域に入っているか」だけを見るのではなく、
・自宅周辺で想定されている災害
・最寄りの避難場所
・避難場所までの経路
・川・崖・海などとの位置関係
・職場や学校から帰宅できない場合の行動
なども合わせて考えておくと、より具体的な備えにつながります。
ハザードマップは「不安になるための地図」ではありません。自分の暮らしている地域を知り、いざというときの行動を考えるための情報として活用してみましょう。
家庭で備えておきたい水・食料・生活用品
災害によって電気・ガス・水道などのライフラインや物流に影響が出た場合に備えて、家庭でも一定量の水や食料、生活用品を準備しておくことが大切です。
内閣府は、飲料水について「1人1日3リットルを目安に3日分」、食料についても最低3日分を用意する例を紹介しています。また、広い地域に大きな被害が生じる災害では、1週間以上の備蓄が望ましいとの指摘も紹介しています。
防災用品を特別に大量購入する方法だけでなく、普段食べている食品や日用品を少し多めに買い、使った分を補充していく「ローリングストック」という考え方もあります。内閣府も、日常生活の中で無理なく備蓄する方法として紹介しています。
賞味期限や電池の状態などもあるため、「買ったら終わり」ではなく、ときどき中身を確認することも大切です。
地震・火災に備えて住まいを確認しよう
災害への備えというと水や非常食を思い浮かべがちですが、普段暮らしている住まいの状態を確認することも重要です。
地震の際には、家具や家電が転倒・移動することで、けがにつながったり避難経路をふさいだりする可能性があります。消防庁では、タンスや棚をL型金具などで固定する、扉にストッパーを取り付ける、家具の配置を工夫するといった対策を紹介しています。
住宅用火災警報器について、消防庁は定期的な作動確認と、設置後10年を目安とした交換を案内しています。
また、地震による電気火災への対策として、一定以上の揺れを感知すると電気を遮断する「感震ブレーカー」という設備もあります。
すべての家庭に同じ対策が必要というわけではありません。住まいの構造や家具の種類などに合わせ、自宅で確認できるところから始めてみましょう。
避難場所と家族の連絡方法を決めておこう
災害は、家族全員が自宅にいるときに起こるとは限りません。仕事中、買い物中、通学中など、それぞれが別の場所にいる可能性もあります。
そのため、
・自宅にいられない場合はどこへ避難するか
・家族が離れている場合はどこで合流するか
・電話がつながらない場合はどう連絡するか
などを事前に話し合っておくと、いざというときの判断材料になります。
内閣府も、家族で集合場所や連絡方法をあらかじめ決めておくことや、「災害用伝言ダイヤル(171)」などの安否確認サービスを活用することを案内しています。
避難場所についても、「名前は知っている」というだけでなく、一度地図で場所を確認しておくとよいでしょう。自宅だけでなく、勤務先やよく利用する場所の周辺について確認しておく方法もあります。
家族構成や生活スタイルによって、適した避難方法や連絡方法は異なります。自分たちの場合はどうするか、一度具体的に話してみることが大切です。
災害時の情報を受け取る方法を確認しよう
災害時には、状況が時間とともに変化します。特に大雨や台風では、気象情報や自治体からの避難情報を確認しながら行動することが重要です。
気象庁では、大雨による土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度を地図上で確認できる「キキクル(危険度分布)」を提供しています。
普段から、
・気象庁の防災情報
・自治体の防災サイト
・防災アプリ
・テレビ・ラジオ
・緊急速報メール
など、自分が利用できる情報源を把握しておくとよいでしょう。
ただし、災害時に情報を集めることだけに集中し、避難のタイミングを逃さないことも大切です。気象庁は、危険度が高まった場合には、ハザードマップなどで災害が想定されている区域や避難先・避難経路を確認し、自ら避難を判断することの重要性を案内しています。
「どのサイトを見るのか」「どのアプリを使うのか」を災害が起きてから探すのではなく、平常時に一度確認しておくと安心です。
厄年を、防災を見直すひとつのきっかけに
厄年だから災害が起きるわけではありません。しかし、厄年という人生の節目をきっかけに、普段後回しにしがちな防災について考えてみることには意味があります。
ハザードマップを見る。水や食料の賞味期限を確認する。家具の置き場所を見直す。家族と避難場所について話してみる。
防災というと大がかりな準備を想像するかもしれませんが、こうした小さな確認も立派な備えです。
必要以上に災害を怖がるのではなく、「今できることを、できるところから確認する」。厄年をそんな前向きなきっかけとして活用してみてはいかがでしょうか。